静岡の伝統野菜:自然薯(じねんじょ)
山芋は正式名称をヤマノイモといい、ナガイモやツクネイモなどいくつか種類があるが、自然薯とはその中でも日本国内で生まれ、栽培されている山芋を指す。もともと日本の山や野に自生しているものを、自然に生えているもの、というところから自然薯と呼ばれるようになった。山菜を代表する野菜であり、また自然薯から作ったトロロと麦飯は日本人に昔から愛され、食されてきた料理だ。
山中の雑木林ややぶ、荒地に春になると新芽をだし、蔓を生やす。それが成長していき、夏になると葉の付け根から花を咲かす。そうして秋になると山芋の実であるムカゴをたくさん実らせ、地中には山芋である塊根が埋まっている。その塊根はよじれながら地下深くへと伸びていき、それにつれて太くなり5年くらいすると1メートルを超えるものになるという。自然の中で育まれたっぷりと養分を吸って大きくなった自然薯の味は格別だ。
この自然薯だが、以前は栽培するのが不可能とされ、まったくの天然もののみが出回っているだけだった。しかし近年になって自然と同じ環境を作り出す技術が発達したため、栽培により山芋を作ることが可能となった。しかしながら栽培の難易度としては非常に高い。化学肥料や化学農薬に対する的効力が弱いため有機肥料やたい肥などで育てなけらばならず、それになにより天然の環境を作り出すことに高い技術が必要となる。山中で、標高があり、日当たりがよく赤土であり、水はけがよい場所、など条件をあげていけばきりがなくそのため自然と同じ質、味のものを作り出すのは至難の業だ。
今後こういった研究が進み、今よりも容易に栽培が可能になれば、食卓に極上の自然薯が並ぶ頻度も上がってくるかもしれない。