兵庫の伝統野菜:丹波ヤマノイモ(たんばやまのいも)

兵庫県で栽培されている丹波ヤマノイモは、普通の山芋と違って丸い形をしていてとても大きく、皮が黒いのが特徴の野菜です。
また、丹波ヤマノイモと自然薯は生物学上では種が違うのだそうです。

この丹波ヤマノイモは、古くは江戸時代からその存在が確認されています。
当時は篠山藩主である青山公に献上したという事でも知られており、
また昭和天皇にも献上していたのだそうです。
なので、このイモはとても古い時代から親しまれていた野菜なのです。
また、戦国時代から既に栽培が行われていたというような記録も残されています。

丹波ヤマノイモがとても品質の良い野菜なのは、このイモを育てている地域に理由があります。
丹波ヤマノイモを育てている場所は昼と夜の温度差が非常に激しいため、
昼に取り込んだ栄養を夜の間グッと押さえ込むので、必要な栄養を逃がさずに済むのです。
そのため、他の山芋よりも粘り気が強いものへと成長していくのです。

高級食品として知られている丹波ヤマノイモですが、
どんなに高級なものでも二級品というものが存在するのだそうです。
その二級品を種芋として売りに出し、育てると今までにはない程の高品質な山芋が育つのだそうです。
そんな丹波ヤマイノイモはとても粘りが強く、糸引きが良い野菜なのですが、
丹波ヤマノイモに含まれているアミノ酸の量もまた多いのです。
そのアミノ酸の総量を測定したところ、他の山芋よりも断然多く含まれていたそうで、
今ではトップクラスの量を誇っています。

兵庫の地方野菜:丹波黒豆(たんばくろまめ) 

 

おせち料理に欠かせないのが黒豆の煮豆ですが、その黒豆の特産地として有名なのが兵庫県、丹波地方です。中心地の篠山市のあたりでは毎年、11月下旬頃になると乾燥した豆の出荷に追われています。 

 

黒豆はダイズの品種で、粒が黒いものをいいます。丹波黒豆はこの地域の粘土質土壌と朝夕の寒暖差に育てられ、ダイズの中ではもっとも大粒になります。煮豆にすれば美味でつやがあり、いくら煮ても皮がやぶれないといいます。6月に蒔き、枝豆用としては10月半ばに収穫、11月からは表面に白く粉を吹いた乾燥豆として、正月用の煮豆材料として広く流通しています。 

 

丹波黒豆が有名になったのは、江戸時代に篠山の城主へ献上され、さらに殿様から将軍家へ差し上げる特産物となったことで、正月の丹波黒豆として江戸市中に知れ渡ったためです。江戸時代には主産地の名で川北黒豆と呼ばれ、明治の初めには改良をおこなった人の名から波部黒と呼ばれる品種が世に出ました。そして昭和はじめに、生産出荷組合が組織され、品種の更なる改良で丹波黒という名称にまとまっていきました。 

 

黒豆、黒ゴマなどの黒色の食物は古くから、漢方医学では薬になるものとして考えられてきました。近年、黒豆には薬効成分のイソフラボンなどが含まれていることが紹介され、健康食品としても見直されています。丹波黒豆は栽培に手間のかかる品種ですが、そのブランド力から、栽培農家は増えてきているそうです。

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兵庫の地方野菜:丹波大納言(たんばだいなごん)

 

和菓子にはなくてはならないのが餡やうす皮の材料になるアズキですが、その中でも丹波大納言と呼ばれる品種は高級品として有名なものです。丹波大納言は兵庫県の亀山地方の特産品として古くから食されてきました。一説では平安時代から宮中に献納されたともいわれますが、記録としては江戸時代、亀岡城主への献上品として良質のアズキが作られ、亀岡城主はそれを選りすぐって徳川将軍に差し上げ、さらに選ばれたものが皇室に納められたということ、そこから大納言という宮中の官職名で呼ばれるようになったということです。

 

丹波大納言の栽培は、かつては畑の畦に作られたのですが、水田の減反政策で転換した麦畑の裏作となっています。7月の種まきから11月の収穫まで手間がかかり、さらに乾燥してサヤから取り出すのも手作業なためか生産量は6百トン程度だといわれます。これは全国生産量6万数千トンに対してごくわずかなものです。アズキをはじめ、豆の国内生産では北海道が、品種改良と機械化、大規模生産により、主産地となっています。丹波大納言はそれに対して、少量・手作業中心に高級品種として特化することで存続しているといえるでしょう。

 

この地域で作られる丹波大納言は普通のアズキに比べて大粒で角ばっており、2~3個を縦に積み重ねることができます。この品種は土の性質、気候・雨量などに左右されるもので、同じ豆を他地域で育てても同じものにはならないそうです。

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