富山の伝統野菜:どっこ 

 

 

富山県第二の都市、高岡市周辺で加賀藩の時代から栽培されてきたきゅうりを「どっこ」と言い、先端に黄色い縞模様のある生食用の太いきゅうりを言う。 

 

 

そもそも「どっこ」とは、太くて短いと言う意味を言うように、その形状は独特で、長さ30cm、太さ7cm、重さ1kgにも成長する円筒形のきゅうりである。富山県野菜協会が「越中とやま伝統野菜」に認定するどっこは、果皮と果肉の厚さも特徴で、日持ちもよく、苦味が少ない。 

 

 

厚い皮をむいて、種をとり、昆布を入れた塩漬けにしても、そのシャクシャクとした歯ごたえは損なわれず、皮をむいて煮たり、あんかけ、おつゆなど、様々な調理に重宝されている。サラダ、浅漬けにも適しており、その独特の旨味は評判で、品種改良の進む現在、どっこの全国的な知名度をあげようと、地元の人々が様々な活動を展開している。 

 

 

従来のどっこは収穫期である5〜8月の暑い時期、果皮の色が白くなったり苦味が増したり、生産者により果実が不ぞろいで品質がばらばらであったりと弱点はあったが、現在は改良がほどこされ、どっこは、濃緑な果実へと変身した。 

 

どっこは果皮の厚さゆえ、長期保存に適しており、明治以降、高岡近隣の氷見港、新湊港から出港する遠洋漁業の漁船に積み込まれ、海上での貴重な生鮮野菜として活躍した歴史を持つ。そもそも加賀藩の影響下にあった高岡に、加賀太キュウリが導入され、地元に定着し、自家採種がくりかえされた後に、加賀太キュウリよりも大型化されたと言う経緯を持つのがどっこで、現在は加賀太キュウリの選抜系統を母系に、台湾から導入された「青大」の選抜系統を父系に持つ交雑品種として、年間60トン、生産されている。 

富山の伝統野菜:草島ネギ(くさしまねぎ) 

 

 

富山県富山市を貫く神通川河口左岸、草島地区で栽培されていたネギが草島ネギで、一本の茎から5〜7本に分かれる、葉の長さに特徴があるネギを言う。 

 

 

一般的なネギよりも葉が長く柔らかいため、折れたり、曲がりやすく、手間がかかり、見た目も悪いうえ、暑さに弱いので、戦後表向きには消えてしまった草島ネギだが、葉先の青い部分まで食べられ、熱を加えると甘みが増す。 

その味を懐かしむ年配の人は多く、煮物や鍋に重宝された過去を持ち、トロトロと甘く、濃い味も特徴となる。 

 

 

草島ネギは、他のネギに比べて、暑さに弱い反面、寒さには強いので、6月から7月の遅い時期に種植えとなる。冬季に収穫するのが習いである草島ネギであるが、その歴史は古く、1900年以上の歴史があると一説では言われている。 

 

正確な来歴は不明であるが、郷土史には「草島ねぶか」との記述が見られ、ネギの原産地、中国東北地方「渤海」の使節である武将が持ち込んだとされている。 

 

 

大正時代頃まで富山市で広く栽培されていたが、栽培の難しさにより戦後消滅、表むき世間から姿を消す。しかし、富山市農業センターが地元の農業者から草島ネギの種をあずかっている事実が判明した事をきっかけに、富山県農業技術センター、野菜花き試験場が、種を何度かの栽培、収穫をくりかえして更新し、富山市の農家の協力を経て、復活させ 

 

草島ネギ復活のニュースは地元でも大きく取りあげられました。 

富山の伝統野菜:利賀蕪(とがかぶ) 

 

 

富山県南西部、岐阜県と県境を共にする、現南砺市利賀村周辺で栽培、収穫される赤カブを利賀蕪と言う。 

 

標高1,000mを超える山々に囲まれた雪深い利賀村特有の、晩秋の寒さと、昼夜の寒暖差によってもたらされる独特の赤色と甘みが利賀蕪の特徴で、根の部分は塩漬け、葉の部分は干して保存されたりと、人々に親しまれている。 

 

肉質は緻密で貯蔵性が高く、冬に雪のため地場産の生鮮野菜が少なくなる富山で、保存食としても活躍してきた。 

 

利賀蕪は各農家でそれぞれ採種されている為、各戸により蕪(かぶ)の形状が異なり、丸形やイモ形、長形や大根形など、様々だが、総じて握り拳くらいの大きさになる。 

 

 

利賀蕪の栽培方法は、8月下旬から9月上旬、深さ1cm位の穴をあけた土に、約3粒蒔いて(まいて)土をかぶせる蒔き方で、およそ1週間ほど後に芽が出る。適度な間引きをした後、10月から11月に収穫、一般的には、根部を塩漬けにし、頃合を見て塩をぬくなり、甘酢に漬け込んで漬物にし冬季間の食料にする。塩に漬けておく期間の長短により味わいが変化するので、その長短の変化で1年を通じ違った味わいの漬物を楽しめる。 

 

 

そもそも利賀蕪は、平家の落人が利賀に持ち込んだ種を、その後各農家が脈々と採種、栽培、更新し、現在に至ると言われている。江戸時代には加賀藩の流刑地でもあった同地で、その種は着実に受け継がれてきたが、各農家により蕪の色や形状が異なるのは、戸別の採種による為で、利賀近辺の村々でも、同種の赤カブは栽培、採取されている。 


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