京都の伝統野菜:時無し大根(ときなしだいこん)

京都府で栽培が行われているこの大根は、
冬に出荷されるのではなく初夏の頃に出荷が開始される、少しばかり変わった大根です。
この時無し大根は180年も前から栽培が行われていたという事が確認されており、
当時は「藤七だいこん」という名前で販売までしていたそうです。
この「藤七」というのは当時栽培していた農民の小山藤七の「藤七」からとった名前です。
しかしこの大根の栽培期間はとても短くて、
他の農民から「花知らず早太り時無しだいこん」と言われるようになり、
それがだんだんと定着していった結果「時無し大根」という名前になったそうです。

また、関西の大根は「青首大根」が主流でしたが、この時無し大根はどちらかと言えば白いです。
その代わりと言ってはなんですが、葉の部分は他のものよりも深い緑色をしているのが特徴です。
しかし何故時無し大根が白いのかというと、
栽培している時に根の部分を完全に土の中に埋めてしまうからです。
青首大根は葉に近い根の部分が土の上に来ているので、
太陽の光を浴びて緑色になりますが、時無し大根はそれをしないため
本来根に行くはずの太陽の光が全て葉にいくので、このような白い大根へと育つのです。
また、季節が冬ではなく夏なので葉の色がより一層深い緑色をしているのではないでしょうか?
時無し大根はスライスしてサラダなどにすると非常に美味しいそうなので、
購入した際は是非お試しください。
また、大根独特のにおいがないので
今まで苦手意識を持っていた方でも安心して食べられるのではないでしょうか?

京都の伝統野菜:田中とうがらし(たなかとうがらし)

京都府で栽培から出荷まで行っている田中とうがらしは、
普通のとうがらしと違って太く、短いのが特徴です。
名前にある「田中」とは、明治時代に存在した愛宕郡田中村という
現在の京都市左京区田中で栽培されていた事が、名前の由来だそうです。
しかし、そこまでは記録として残っているのですが、
どのようにして栽培されていたのかは今の所まだ分かっておりません。

とうがらしにしては珍しく辛味が全くと言っていい程ない野菜で、色は深く美しい緑色をしています。
また種も少ないので非常に食べやすいです。
田中とうがらしは主に煮物や天ぷらなどにしても美味しいですし、
焼きとうがらしや佃煮にしても非常に美味しいかと思います。
田中とうがらしを栽培している京都府では、料亭などでこの姿を見る事が多いといわれています。
このとうがらしは血行を良くしたり、発汗作用や食欲増進を促す働きがあるので、
体調が悪くなった時や少し食欲が無い時に食べるといいかもしれません。

 

田中とうがらしの収穫時期は6月から10月の下旬頃までとされ、
ビニールトンネルで栽培が行われています。
現在では40戸程度の農家がこの田中とうがらしを栽培しているので、
地元の方は畑などで目にする事もあるのではないでしょうか?

 

田中とうがらしが関東やその他の地域で販売されている事は少ないと思いますが、
どうしても食べてみたいという方は、近くに住む友人や親戚に頼んでみたり、
京都府の直売所などで手に入れる事も可能ですので、観光に行った際は是非お立ち寄りくださいませ。

京都の伝統野菜:桃山大根(ももやまだいこん)

 京との桃山の地で誕生した桃山大根。かつては滋賀県の伊吹地方で栽培されていた大根で、それを京都の桃山に移したのが始まりとされている。今から300年ほど前の話である。また桃山以外にも、伏見区深草大亀谷でも作られていたことから「大亀谷大根」とも呼ばれた。さらには根形が短く、尾端が細長いためその形をとって「ネズミ大根」と呼ばれたり、あるいは地上に根部が出ないことから、根見ずの大根、転じて「ネズミ大根」となったなど、呼び名がたくさんあるなら、その由来も諸説存在している。根の直径が6センチメートル、長さが30センチメートル前後でずんぐりとした形をしている。

 

 旬の季節は他の大根と同じく冬の間で、9月に種まきをし、11月から1月にかけてが収穫の季節となる。しかしながら現在は需要が激減し栽培量が非常に少なく、種子保存用のみでその種が存続しているといわれている。あるいは自家栽培に生産がゆだねられている現状である。

 

 この桃山大根は沢庵の材料として非常に有名だ。肉質が緻密でしまりがよく、漬け減りがないということでもともと漬物に適した野菜であり、また沢庵として桶から出したあとしばらく時間がたっても色や香りが変わらないことや、夏を越しても味が変化せずに保たれることから、昔から沢庵には桃山大根されてきた。このように沢庵というきちんとした使用の方法が決まっているのにもかかわらず需要が減り生産がなくなってきたのは日本人の食卓に変化が生じていることの表れだろう。


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